覇王別姫4K

2023-10-20


今年、7月に入ったばかりの頃。
ある場所で、この映画のチラシを
手にしました。

公開30周年 レスリー・チャン没後20年
「さらば、わが愛
覇王別姫(はおうべっき)4K」
(以後「覇王別姫」)
7月28日より上映!

私がこれまでに観てきた中で最高傑作、
名作1位に鎮座する映画です。
おそらくこれからも
その座は揺るがないでしょう。
それほどに、この映画は
私に強い影響を与えました。

しかし、なんと、そう言っときながら、
私は「覇王別姫」を
映画館で観たことがなかったのです。

この映画が公開されたのは1993年。
その約5年後、学生時代の先輩に勧められて
初めてレンタルVHSで観ました。
そして昨年、日本国内での
劇場上映権が切れるにあたり
渋谷の「Bunkamuraル・シネマ」で
特別上映があったらしいのですが
私がその情報を知ったのは
上映が終わったあと。
もう「覇王別姫」を
映画館で観ることは叶わないのだな
と思っておりましたが、なんと!!!!

これは、行かねばなるまい。

この「覇王別姫」は
1993年に中国語映画では初の
カンヌ映画祭最高賞である
パルムドールを受賞したにもかかわらず
文化大革命を扱うなど
中国の歴代政府のことを良く描いていないため
本国では上映禁止になったと聞きます。

1920年頃から1970年代までの
中国の激動の中で生きた
2人の京劇俳優と1人の女性の物語で
タイトルの「覇王別姫」は
京劇の演目の名前です。
チラシにわかりやすく説明がありました。

主演のレスリー・チャンは
香港のスターだったけれど
映画の舞台は北京のため
北京語と京劇を習得して
撮影に挑んだという。
インタビューなどを読むと
同じ中国(香港は返還前だったけれども)でも
言葉も映画の撮影方法も違うので
相当に努力したらしいです。

そして、この映画は上映時間が長い。
172分もあるのです。
ほぼ3時間なのであります。
でも、まったくそれを感じさせないほど
ぐいぐいと物語の中に引き込まれて
最後、多大な余韻を残したまま
観ているものを
置き去りにして終わるのです。
何回観ても
最後のコン・リーの表情で
嗚咽が止まらなくなる私です。

8月に入ってさっそく
家から一番近い映画館で観てきました。
暑い暑い日曜日の午前中でした。

よかった。
映画館で観ることができて
ほんとによかった。
やっぱり、永遠の1番です。
覇王別姫は永遠に不滅です。
そう言いたくなる映画でした。


映画パンフレットとレスリー・チャン本を購入。
なかなか売っていないので嬉しい!
レスリー・チャン没後20年とのことですが
生きていれば、現在67歳のはず。
どんな素敵なおじさまになったのだろう。
映画の中の美しい青年のまま
レスリーのイメージはストップしていて
ファンの皆の心の中で生き続けているのだな…。

レスリー・チャンの役の
子供時代を演じた男の子も
それはそれは美しく、
演技も京劇のしぐさも巧みで
中国芸能の奥深さを
感じずにはいられません。

実は、レスリー・チャン×チェン・カイコー(監督)
プレミアムBOX(2001年発売)
を持っておりまして
「覇王別姫」と「花の影」のDVDと
写真集が、麗しい化粧箱に
納められております。
私の宝物です。

しかし、12月に
4K修復版ブルーレイが発売されるとな!
悩ましい。

その前に、映画の上映が終了する前に
もう一度観ておかなくてはと思うのです。

映画や音楽って
あまり人に勧められても
観たり聴いたりする気には
なかなか、なれないものです。
わかっています。
しかし今回は強く言いたい。
これは、観るべきです。
だいぶ上映館は少なくなりましたが
まだやっています。
後悔させません。

公式HPで上映館をチェック↓
https://cinemakadokawa.jp/hbk4k/

予告編
(日本語の予告編よりこっちが好きです)