アーティゾン美術館で開催中の「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」展に行ってきました。
抽象絵画は色面で全体を構成する事や、物体の要素を簡略化する所がデザインと通ずるため昔から大好きで、抽象画と聞くと耳が大きくなってしまいます。
今回はどんな画家の作品が見られるのか調べたら驚きのラインナップ。
セザンヌ、ゴッホ、モネ等の有名な印象派画家はもちろんのこと、マティス、ピカソ、カンディンスキー、クレーなど有名どころの人数があまりにも多い。さらに草間彌生、岡本太郎などの日本人も名を連ねます。
展示作品が260点以上とボリュームたっぷりのため鑑賞時間は2〜3時間とった方がいいと聞き、しっかり時間をとって見てきました。
しかしこのボリュームを堪能できる自信がなかったため、今回は音声ガイドに頼ろうかな…と特設ページをチェックした所、有名イケメンボイス声優の細谷佳正さんと知り「こりゃ行くしかない!」と決意。
今どきは音声ガイド機の貸し出しを行なっていないようで、ミュージアム公式アプリを開くと聞ける仕組みになっていました。
何もしないと機械音声が流れ、現地でゲスト用WiFiに繋ぐと細谷さんの声に置き換わります。ちなみに無料。ちょっと意味が分からない。
展示は1904年頃に制作されたセザンヌの作品からスタートし、歴史を追って最後は現代の作家たちへと繋がっていきます。
1作家につき1〜5枚程度の展示なので、この画家はどんな人?という引っ掛かりがあると確かに2〜3時間はかかりそうな内容でした。
今回のお目当ては、以前ブログで少し触れましたが1900年代に活躍したスイス生まれの「パウル・クレー」。
母が大好きで「可愛いでしょ」と小さい頃から本を見せてもらって段々好きになり、美術系大学のデザイン専攻に進んだ頃に何度かレポートの題材に選びました。
クレーは音楽一家に生まれて石切場をよく描いていたため、音楽を彷彿とさせるラインやカラフルな四角で構成されたものが多く、家に飾りたくなるような可愛い作品が数多く残っています。
そんなクレーが教鞭をとったバウハウス(1919年にドイツで設立されたデザイン・工芸などを教える学校)展のポストカードたちを発見!
とても可愛くて何度もウロウロしてしまいました。
左からクレー、オスカー・シュレンマー、ヘルベルト・バイヤーで、全員バウハウスの先生らしい。
絵と文字の入れ方や色使いが素敵ですね。
ちなみに今回ビジュアルに使用された作品は、フランティセック・クプカ《赤い背景のエチュード》。
初めて聞く名前だなぁと思ったらあまり知られてなかった画家のようで、今回大抜擢だったとか。
鮮やかで勢いがあってインパクト大ですね。
他にも素晴らしい作品がたくさんあってすべて紹介できないのが惜しいですが、素敵な音声ガイドと共に見た事ない物がたくさん見れてほくほくでした。
また、音声ガイド繋がりで先日珍しい本を購入しました。
「音声ガイドで 聴く名画」という書籍で、こちらも有名声優の大塚明夫さんがダンディなお声で名画をナビゲートしてくれます。
ページ内にあるQRコードをスマホで読み込むと音声が聞けるようになっており、開くとフラットになる製本でとても見やすいです。
64作品も収録されてて各2~3分の解説がついてるのでこちらも実質無料…ではないですが、2,090円で安すぎる。
やや声優オタクでもあるので、こういうの凄く楽しいですね。
閑話休題、美術展の方は8月20日まで開催中です。
暑くて外出が億劫な日が続きますが、東京駅の八重洲地下街を通れば涼しい地下からかなり近くまで行けておすすめです。
事前にチケット購入が必要になりますが、ご興味ある方はぜひ!