大宮盆栽美術館

2022-07-15

先日、天気の良かった休日に
「さいたま市 大宮盆栽美術館」に行ってきました。

自分は、若い頃に某盆栽美術館の仕事で、Webサイトやカレンダーを作っていたことがありまして、
当時見ていた盆栽の一部がこちらの大宮盆栽美術館にあることを知り、とても気になっていたんです。

場所は、東武アーバンパークライン(東武野田線)「大宮公園駅」から徒歩約10分。
JR宇都宮線だと「土呂駅」から徒歩5分。
美術館周辺の一帯は関東大震災後に盆栽師たちが集団で移住してつくった「大宮盆栽村」として有名で
最盛期の1935年頃には約30園、現在でも6園が残っており、「盆栽の聖地」と呼ぶ人もいるほど。


大宮盆栽美術館は、2010年に開館した世界で初めての公立の盆栽美術館です。

館内に入ると「季節の一鉢」がお出迎え。

窓口で観覧料(一般 310円)を払って展示室へ向かいます。
年間パスポート(一般 1,040円)もあり、何度も来れる方はお得ですね!

展示室では盆栽の解説パネルや、季節に合わせた週替わりの盆栽が見られます。
最後に「真・行・草」と3つの格式の座敷飾り(床の間に盆栽・水石・掛軸を合わせたもの)があり、
それぞれの違いがわかり、面白かったです。
(展示室内は撮影NGなので、ご紹介出来ず残念)

この後、館の外に出るのですが、最初のエリアが『今日の1枚(撮影コーナー)』

撮影はここだけ?と思ったら、奥に続く盆栽庭園も撮影可能でした。
ここからが本日のメインディッシュ。
盆栽庭園には常に約60点の盆栽が展示されていて、正面だけでなく360度すべての方向から見られる盆栽もあり、表情の違いが楽しめます。

とにかく圧巻の一言。
数々の作品の中から、特に惹かれた盆栽をご紹介します。


山もみじ「紅陵」推定樹齢120年
大木のような、ミニチュアのような…ジオラマを見ているかのような面白さ。


野梅 推定樹齢200年
荒々しい感じがヤバイ!


真柏「寿雲」推定樹齢800年
幹の一部が枯れて白色化した「シャリ」と、緑の葉の対比が
まるで生と死が同居しているかのよう。


五葉松「双鶴」推定樹齢300年
大きく縦に裂け、白い断面を見せる長い幹が特徴的。
高い崖から流れる滝のような風情を感じます。


五葉松「青龍」推定樹齢350年
その銘の通り、天空に登らんと巨体をくねらす龍のよう。
迫力ある作品です。


五葉松「千代の松」推定樹齢500年
高さ1.6メートル、横幅1.8メートルをこえる、大宮盆栽美術館で最大級の作品。
王者のような素晴らしい風格を感じます。
自分は今回この作品が目当てだったので、
ウン十年ぶりの再会で、しばし感動に浸っておりました。


五葉松「春の海」推定樹齢250年
海辺の松を描いた絵のような趣があります。

他にも沢山の素晴らしい盆栽があり、庭園を見て回るうちに
自分が巨大化して大木を見ているのか、精巧なミニチュアを覗き込んでいるのか
時間が止まっているのか、流れているのか…
何ともいえない不思議な感覚になりました。

展示作品は季節などにより入れ替えがあるそうなので、
どうしても見たい作品がある方は事前にWebサイトでチェックをおすすめします。

盆栽美術館では、グッズも色々と売っていまして

自分は、「盆栽だー」(サイダー)を飲んで、
公式ガイドブックとポストカード2点(千代の松と寿雲)、手ぬぐいを買いました。

この日は天気が良すぎて、暑さのあまり周辺をいろいろ散策出来なかったので、
もみじが紅葉した秋にでもぜひまた訪れたいと思いました。

さいたま市 大宮盆栽美術館