先月下旬に
森アーツセンターギャラリーで開催されていた
「キース・ヘリング展」に行ってきました。
キース・ヘリングは
1980年代のニューヨークを
駆け抜けたアーティスト。
HIV感染・エイズ罹患のために
1990年に31歳という若さで亡くなりました。
1980〜90年を10代で過ごした私は
キース・ヘリングの人気を
目の当たりにした世代。
当時、彼の作風を真似る
日本のイラストレーターが続出。
作風が広告との親和性が高かったためか
TVに、雑誌に、あらゆるメディアに
キース・ヘリングがあふれていたように
記憶しています。
80年代後半、人気が飽和状態に。
当時、美術を学ぶ学生だった私は
「キース・ヘリングを好き」というのは
ミーハーに思われそうだから、
言わないでおこう。
そんなふうに思うほどでした。
というわけで、そこまで
キース・ヘリングに思い入れは
なかったのですが
夫が彼の絵を好きなので
一緒に観に行くことに。
POPなタッチながら、内容が暴力的。
こちらは蛍光塗料を使ったシルクスクリーン作品。
暗い部屋のなか、ブラックライトで照らされ
発光していました。
鮮やかで、ぜんぜん古さを感じさせない!
う〜ん!
やっぱりイイ!
展示を進むにつれ、キース・ヘリングが好きになっていきます。
スウォッチ、懐かしい!
流行ったな〜何本か持っていたな〜
立体作品も、手元に欲しくなるほどイイ!
日本の音楽フェスのポスター。
なんか「宝島」の広告で見たことあるかも。
書体の使い方が時代を感じさせますね。
これは、晩年の作品だったかと思います。
版画や即興で絵を描く
ライブペインティングが多い印象ですが
この絵は綿密に構成・下書きし
じっくりと描いた絵とのこと。
しばらく見惚れました。
このインタビューの頃には
エイズを発症していたのだろうか。
そう思うと切ない。
全部観終わって、
「なんだか、この絵の感覚どこかで体験している」
と思い、遡ったところ
昨年東京都美術館で観た「マティス展」でした。
↑その時に買ってきたマティスのポストカード
キース・ヘリングが
マティスの影響を
受けているかどうかは
定かではないけれど
黒い太い線が持つ、
強さと美しさは普遍的なのだと
あらためて感じた次第です。
1990年に勝手に
「もうキースには飽きた。」とか
思ってしまった私のバカ!
ちゃんと彼の絵を観てなかったのです。
反省。
残念ながらこの展示の会期は
終わってしまいましたが
山梨県に
「中村キース・ヘリング美術館」があるそうで
そちらも良さそうなのでおすすめです。
この美術館から貸し出された作品も
多く展示されていました。
機会があったら行ってみたい。
図録が売り切れていたのか、
売店になかったので
キースのトレードマーク
「ラディアント・ベイビー」の
貯金箱をお土産に買いました。