「今、太田記念美術館で小原古邨展やってるらしいよ」友人からメールをもらいました。
昨年秋、私が茅ヶ崎美術館の小原古邨展に行った際、感激のあまりその友人に古邨の絵はがきを送ったので
憶えていたらしく、教えてくれたのでした。
そこで今回は、茅ヶ崎美術館で観た小原古邨展の一部をご紹介したいと思います。
それでもしご興味をもたれたら、ぜひ太田記念美術館へどうぞ!
(3月24日(日)までなのでお早めに)
さて、小原古邨(おはら こそん)とはいったい何者なのか。
明治から昭和にかけて活躍した花鳥画家とのことですが
昨年夏ごろに放映されたNHK「日曜美術館」の特集を観るまで
私にとってまったく知らない存在でした。
なんでも、当時海外で人気が高く、手描きでは輸出に追いつかなくなったため
版画にすることで数多く輸出できたとのこと。
近年になってある会社の浮世絵を管理している部署の方が
倉庫に大量に眠っていた古邨の版画を発見し、展覧会の運びになったとか。
なんと、フラッシュ無しなら撮影OKだったので、気になった版画をいくつかスマホに収めてきました。
だけど、トリすぎ注意!(このスズメも古邨の絵です。カワイイ!!)
実物を観て驚いたのは、それが「版画」であることです。
みずみずしい筆跡がそのまま再現されていて、肉筆のようですが、木版画なんです。
古邨の画力もさることながら、彫師と刷り師のセンスと技術が見事!
※額のガラスに赤ボーダーの私や室内のライトが映り込んでいるのはご愛嬌ということで…撮影の腕が悪いせいかどうしても映っちゃうんですよねえ(恥)
また、絵のすみずみから植物や動物(特に鳥)への愛をひしひしと感じて、
場面の切り取り方、色、表情すべてが美しくて、可愛くて、ずっと観ていられるんですよ。
そしてたまにユーモラスな絵があるのがいい!
一番気に入ったのがコレです↓
「ねむいわ〜」(フクロウ)
「あいつ、寝そうだよ」「おーい」「ほっとけば?」(すずめ)
と言っているシーンかどうかはわかりませんが、この鳥たちの顔がなんともいえず、絵の前で悶え死にそうになりました。
あとでこの版画の絵はがきを買おうと思ったら売り切れでした。人気のようです。
また、この展覧会で初めて知った言葉があります。
それが「温め鳥」。
で、その版画がコレ↓
鷹は暖かいからいいでしょうけど、温め役の小鳥(すずめ?)はたまったもんじゃない。
「あとで逃すとか知らないからさ〜。勘弁してよ〜。今逃がしてよ〜。」という冷め切った表情。
温め鳥は古邨の気に入ったモチーフだったのか、もう一枚ありました↓
がっくりうなだれる小鳥。「はあ〜」とため息が聞こえるよう。(鳥がためいきをつくかどうかはおいといて)
と、ここまで一部を紹介しましたが、いろいろな名前も知らなかった鳥たちの版画がたくさんたくさんありWebも動画も無かった時代にこれだけ多くのいろいろな鳥の飛んでいる様をいきいきと描ける古邨のすごさに参りました。
太田記念美術館のHPにもありましたが「これから新たに人気が出るにちがいない」でしょう!
さてさて、話は変わって我がアジギャラリーでも
凄腕絵師 岡本三紀夫氏の原画展がいよいよ始まります!
こちらも見逃せない内容となっていますので、詳しくはまた後ほどレポートしたいと思います。
神田から日本橋を散歩しながら、芸術の春を感じてみてはいかがでしょうか。
********************
岡本三紀夫さんホームページはこちら