以前投稿したブログ記事で少しだけ触れた映像作品ですが、改めて。
Double A × OK Go「obsession for smoothness(スムーズさへのこだわり)」
日本のクリエイティブチームが企画し、タイの製紙会社「Double A」とアメリカのロックバンド「OK Go」がコラボレーションして実現したミュージックビデオです。
567台のプリンターからとめどなく吐き出される色彩豊かな用紙を背景に、バンドメンバーが歌う、というもの。
“世界初のペーパーマッピング・プロジェクト”だそうです。
「ペーパーマッピング」とはなんぞや??と思ったあなたも、「プロジェクションマッピング」という言葉を一度は耳にしたことがあるかと思います。
プロジェクションマッピングとは、映像やCGをスクリーンではなく建物などの立体物や空間に映し出す手法のこと。近年イベントなどで使われ注目を集めています。チームラボも有名ですね。
ペーパーマッピングとは要はその“紙”バージョンです。
前置きが長くなりましたが…。
なぜ、製紙会社とロックバンドがコラボを?と思いますよね。
制作チームの1人、クリエイティブディレクターの齋藤迅さんは『紙詰まりしないDouble Aの品質の良さを、エンターテイメントとして伝えよう』とバンコクで最初に企画をプレゼンしたといいます。
「Double A」は世界各地でシェアを誇り、数々の斬新なキャンペーンを展開してきたグローバルな企業。そこで、毎回話題性のある斬新なPVで知られる人気バンド「OK Go」に白羽の矢が立ったのだそう。
博報堂傘下のクリエイティブエージェンシー「SIX」が、メディアアーティストの真鍋大度さん、Perfumeなどの演出振付を手がけるMIKIKOさんなどのプロフェッショナルとタッグを組み、色彩が溢れだすような見事な世界観の映像を生み出しています。企業広告としてもPVとしても申し分ない圧巻のクオリティです。
コピー用紙にこんな使い方があったなんて…。
何気なく目にしているものが秘める無限の可能性を目の当たりにしました。
「めまぐるしく変化する鮮やかな映像」と「音楽と動きのシンクロ具合」に是非注目してみてください。
これだけたくさんの紙が排出されたにもかかわらず、2年半に及ぶ長い制作期間中、紙詰まりは一切発生しなかったそうです。“スムーズさへのこだわり”が発揮されてます。
ところでこの大量の紙は撮影後どうなったんでしょう…?
私も心配になりましたが、使用された紙は全て再生紙としてリサイクルされ、収益は国際環境NGO・グリーンピースに寄付されたそうですよ。よかった。
ちなみにOK GoのPVは他にも“無重力状態で歌うPV”や“撮影4.2秒のスーパースロー映像PV”などトリッキーなものばかりでおもしろいです。時間のある方はこちらもどうぞ!