「INK de JET! JET! JET! 3」に行ってきました。
“UVインクジェットを使用しデザインと印刷の新たな可能性に挑む”がコンセプトの展示会。
デザイナー・イラストレーター・フォトグラファーなど9組のクリエイターが参加した3回目となる本展は、渋谷ヒカリエ8階にあるクリエイティブスペースで開催されました。
まず目に留まったのは入ってすぐの真っ黒な板。…に見えるこちらの作品。
黒くて何も見えません。タイトルも「Crow」。crow…。黒…?
作品の下にペンライトが置かれていたので照らしてみると、カラス(crow)の写真が浮かび上がりました。
この作品は光を跳ね返す反射シートに印刷してあるそうで、光を当てた方向から見たときだけインクが乗ってない場所が光るのだそうです。
つまりカラスの白く見える部分にはインクが乗っていないということなんですね。
画面の縁もインクが乗っていないので、光を当てると真っ白いフレームのように見えます。
展示会場は通常撮影NGなことが多いですが、こちらは「フラッシュ撮影してご覧下さい」と堂々と書かれていました。太っ腹すぎます。
フラッシュ撮影するとその違いがはっきりと分かりますよね。
(「わーぜんぜんちがーう!すごーい!」と写真を見比べて一人ではしゃぐ私を、隣でスタッフのお姉さんが優しい眼差しで見ていました。)
作品はすべて撮影OKで、物によっては手で触れることもできました。
他にも鉄板や極薄のフィルム、手漉きの和紙や古着のTシャツに印刷した作品や
絵柄が印刷されたPET素材を折って壁に貼り付けると花器になる作品など。
着眼点や発想が面白いものばかりでした。
印刷に関しては、主催の印刷会社である株式会社ショウエイのプリンティングディレクターの方が、専門家の立場からアドバイスしながら一緒に作りあげていったそうです。
とはいっても、未知の表現に挑戦する実験的な試みゆえに、何度もテストし検証を重ねてベストな表現方法を探る作業が不可欠になります。
うまくいかずに1から考えてやり直したり。
気の遠くなる作業の繰り返しですが、そのぶん作品が完成した時の喜びはひとしおだと思いますし、それこそがモノ作りの醍醐味とも言えるんでしょうね。
今回もとても見応えのある展示でした。
本日13日までです。ヒカリエ8階はギャラリーやショップ、カフェなどが集まる楽しいフロアになっていますので、渋谷にご用のある方は是非足をのばしてみてはいかがでしょうか。