かねてから、生で作品を観てみたいと思っていた作家「岡﨑乾二郎」の展覧会が東京都現代美術館で開催されているのを知り、行ってまいりました。
チケット売り場で
「岡﨑かん二郎、一般1枚ください」というと
「岡﨑けん二郎、1枚ですね」と
さらりと訂正されました。
入ってすぐに1980年代初頭に発表された、彼の初期作品「あかさかみつけシリーズ」が並ぶ。
左:そとかんだ
中:おかちまち
右:あかさかみつけ
この作品についてこの画像だけでは説明できないので省略しますが
実物を前にしたとき、何を表しているのかを考えながら観るより、
眼に映った色と形の面白さを楽しむほうが心地よいと感じました。
そして、1番観たかった
アクリル絵の具を使った絵画のエリアへ。
岡﨑乾二郎は絵のタイトルが長いことで有名らしい。
上記の絵のタイトルがこれ↓
最初のうちは、ひとつひとつ読んでいたけれど
絵の数が膨大なので、途中から読むのを諦めました。
それにしても、この色と質感の組み合わせの天才的なことといったら!
この展覧会ではほぼ写真撮影OKだったので
脳にぐっときた色の
組み合わせをスマホに収めました。
透明と不透明、薄さと厚さ、ツヤとマット。
この絶妙なバランスの色たちが、
眼を通して脳に染み入り
「なんだかわからないけどすごく好き」という感情を
ぶるぶると揺さぶっている感覚です。
と、ここまでは2021年以前の作品です。
岡﨑乾二郎は、
2021年10月に脳梗塞で倒れ
右半身麻痺になり、
医師から今後の制作は不可能だろう
と告げられたとのこと。
なのに、リハビリによる
驚異的な回復を遂げるのです。
なんと!倒れて約1ヵ月後、まだ入院中に
麻痺した右手で絵を描き始める。
絵がカワイイ
さらに1ヵ月ぐらいで
ここまで!
4ヵ月後には
こんなに細かく描けるように!
そしてその後
アクリル絵画もパワーアップして復活!
粘土による立体作品も手がけ
制作意欲はとどまるところなし。
昼ごろに観始めたのに
もう夕方になってしまった。
急いでミュージアムショップへ。
図録はまだできておらず、予約制とのことで
代わりに美術手帖を買ってきました。
この表紙が美しくて美しくて。
こんなに鮮やかに色を出すのは
大変だったろうなと思わされました。
同じチケットで
東京都現代美術館の
収蔵作品展も観ることができました。
閉館時間が迫っているため
駆け足でしたが
なかなか観応えがありました。
さよなら東京都現代美術館よ。
また来るね。
18時過ぎても日が長く、明るいので
清澄白河駅を通り過ぎて
水天宮駅まで歩くことにしました。
観たいもの、行きたいところに
すぐ行ける幸せをかみしめつつ
清洲橋を渡り隅田川を越えました。