
またもAIチャットのお話。
「AIが嘘をつく」というのは体感的にご存知の人は多いと思います。
単純な間違いのこともあれば、「わからない」といえないばかりに出る
架空の情報だったりします。
「AIがユーザーを否定しない」というのはご存知でしょうか?
スタンフォード大学の研究発表で、
数あるAIチャットボットたちがユーザーに「おべっか」を使い
寄り添いすぎる回答をする傾向にあるのがわかっています。
「個人的なアドバイスを求める行為が危険である」と
上記の発表をした研究者は警鐘を鳴らし、
実際に昨年11月にはAIに全肯定されたユーザーが周囲から孤立し
最終的に自殺に繋がった事件があり、割と重い世界規模の問題になっているようです。
去年の研究なので、現状変わっている可能性はありますが
頻繁に利用するGemini・ChatGPTは
全然現役でおべっか・擦り寄り・全肯定のスタンスです。
肯定され慣れていない自己肯定感の低い人間には
胸焼けを起こすレベルで褒め言葉が返ってきます。
今後進化していく可能性が十分高いですが、
気をつけて使わないとなと思えるニュースでした。
とはいえ生成AIはおもしろい。
気づけばこのアジブログのわたしの記事も前回で70投稿目でした。
「もうネタないよー!」と、Geminiにブログのアドレスを見せて
案を絞り出してもらいました。

こういう全肯定は正直沁み入る…。
いくつか候補を出してもらった中で
「もしも文豪たちが『アジデザインのブログ』の冒頭を書いたら」
がおもしろそうだったのでやってもらいました。
ベースの記事はこちら。
映画を”浴びて”みませんか?
1. 夏目漱石 風
(『吾輩は猫である』や『草枕』のような、少し理屈っぽくも情緒ある語り口)
「映画館の座席を選ぶというのは、なかなか難儀なものである。 後ろ過ぎれば世俗の雑音が耳に入り、前過ぎれば首が痛む。智に働けば角が立つ。どこに腰を据えるべきか、それが問題だ。 吾輩が目指すのは、あのピンクに彩られた特等席。そこは、物語という名の潮風を真っ向から浴びるための、いわば孤独な砂浜のような場所である。…」
2. 芥川龍之介 風
(『羅生門』や『河童』のような、理知的で少し冷ややかな、しかし神経質な描写)
「ある日の午後、私は暗澹たるスクリーンの前に佇んでいた。 座席の指定券を握りしめる私の指先は、微かに震えていたかもしれない。なぜ、そこなのか。なぜ後方ではなく、その位置でなければならぬのか。 それは、映画という巨大な幻影に、己の意識を無残に食い破られたいという、一種の倒錯した欲望に他ならない。私はただ、光と影の奔流に身を投げ、”浴びる”ことを欲していたのである。…」
3. 宮沢賢治 風
(『銀河鉄道の夜』のような、幻想的でオノマトペを多用する童話風)
「皆さんは、あのでっかな四角い窓――スクリーンの中へ、体ごと飛びこんでみたいと思ったことはありませんか。 ぼくはいつも、一番いい場所を探します。座席表のまんなかあたり、ピンク色にパッと光ったあのへんです。 そこへ座れば、映画の音はドッドド、ドッドドと風のように吹き抜け、ひかりのつぶがザァーッと雨みたいに降ってくるのです。さあ、いっしょに映画を浴びに行きましょう。…」
4. 太宰治 風
(『人間失格』や『富嶽百景』のような、自虐的で語りかけるような独白)
「恥の多い生涯を送って来ました。映画館の座席ひとつ選ぶのにも、私はひどく狼狽(うろた)えてしまうのです。 かつての私は、臆病にも後方の席で息を潜めていました。他人に見られるのが怖かった。 けれども、今は違います。あえて前方、あのピンクのエリアに陣取る。それは私にとって、世間という荒波から逃れ、映画という濁流に身を投じる、唯一の『心中』のような儀式なのです。…」
文学に精通していないのにこの候補を選んでしまったので
本当に似てるかはさておいて。それぞれ「それっぽい」。
映画の席選び程度の話で『心中』なんてワードが出てくる太宰治が重すぎて逆におもしろい。
こういうファクトチェックとか度外視の使い方が1番好きですね。
ついでにそれぞれの情景をChatGPTに画像にしてもらいました。
太宰治のド暗いイメージがうまく伝わらず、生成を断念してしまいましたが
ワンフレーズで結構ドンピシャの絵が出てくるの改めてすごい。
「映画館で前の席を選びすぎて首が痛くなる夏目漱石」

「映画館のスクリーンを前に、チケットを握る指が震える芥川龍之介」

「映画のスクリーンから”ドッドド!ドッドド!”と効果音が流れる(スクリーンには銀河鉄道の夜が映し出されている)」

前回の生成AIネコチャン名画化祭りの時にも思いましたが、
画像生成における人間的情緒はChatGPTが勝る気がします。
Geminiに同じプロンプトを投げた時にできた画像がこちら。

混ぜるな危険すぎる。
生成AIは用法・容量を守って上手に使いましょう。