堤防が決壊するとき

2018-05-10

皆さん、日頃どのように音楽を聴いていらっしゃるでしょうか?
ストリーミング配信サービスを利用されている方が結構多いのではないかと思います。
私はもっぱらApple Musicを使っています。
毎朝、毎晩、片道1時間の通勤中、ずーっと聴いています。

ひょんなことがきっかけで、ここ1ヶ月
私の中に第三次レッド・ツェッペリンブームが巻き起こり
ただいま継続中です。終わる気配がありません。
『レッド・ツェッペリン IV』と『永遠の詩(狂熱のライヴ)』を
繰り返し繰り返し繰り返し聴いています。
なぜこんなに聴きたくなるのか?自分自身にもよくわかりません。

第一次レッド・ツェッペリンブームは
今を遡ること約33年前の1985年、
転校生からのゴリ推しで始まりました。
彼女は熱に浮かされたように、
「ツェッペリン最高」「ジミー・ペイジかっこいい」と繰り返していました。
レッド・ツェッペリンは1980年に解散しており、すでに過去の人たちという印象があったし
私たちは中学生だったこともあり、ビジュアルがいいアイドルバンドにキャーキャー言う年頃だったので
はじめは聞き流していたのですが
「すごくいいから、テープにダビングしてあげる!」と
みんなに空のカセットテープを持ってくるように言い、
自宅でレコードからダビングして持ってきてくれました。
その後ほどなくして、私も、ダビングしてもらった他の友達もみな夢中になりました。

第二次ブームは20代半ばです。
そのころ時代はレコードからCDにほぼ移り変わっていましたが
まだカセットテープを使っていました。
通勤のとき車の中で、よく聴きました。
ドライブに合うんですよね。特に1人のドライブに。
今でも『永遠の詩(狂熱のライヴ)』の「レインソング」を聴くと
なぜか夏の夕暮れの国道4号線を走っているときの風景と空気がばーっと頭に広がります。
何があったんだろうか?自分よ。思い出せない。

そしてそれから20年を経ての今です。
聴き始めてからかなりの年数がたっているのに
私はレッド・ツェッペリンについてあまり良く知らないことに気がつきました。
今も昔も、『レッド・ツェッペリン IV』B面最後の
「When the Levee Breaks」という曲が一番好きなのですが
これはなんと、アメリカの古いブルース曲をもとにしたカバーであったこと。
33年目の今、ウィキペディアで知りました。
しかも、Apple Musicではその原曲も聴けるのです。
そして、「When the Levee Breaks」はドラムから始まるイントロが印象的なのですが
そのドラムが多くの曲でサンプリングネタとして使われており
その曲達を集めたプレイリストまである始末!至れり尽くせり!

音楽を聴くのも、歌詞を読むのも、アルバム制作の背景を知るのも
当時のライブ映像を見るのも、車で音楽を聴くのも、ぜーーんぶスマホでできちゃう。

33年前は、「レコード」を店で買い→「カセットテープ」にダビングし→
「ラジカセ」や「コンポ」で聴いた。
歌詞は「歌詞カード」をコピーさせてもらうか、「音楽雑誌」でチェックしていました。
アーティストのPVや生の姿は「テレビ」の音楽番組でしか観れないので
「新聞」のラテ欄を目を皿のようにチェックし「ビデオテープ」で予約録画です。

そういった「物」が、今は一切いらない。
こわいほどの変わりようです。
次の33年後はきっと、スマホさえなくなるんでしょうね。
頭に思い浮かんだ音楽が耳元に流れる、
または脳内で再生されるようになるのかな。

そのころ私は生きていれば80代。
レッド・ツェッペリンを聴いているでしょうか?

今回のブログタイトルは「When the Levee Breaks」の和訳です。
比喩ではなく、本当に堤防が決壊することについての歌です。

もしよかったら、聴いてみてください。