何で今?からの読書欲再燃

2025-03-07

昨年の秋頃だったでしょうか。
本屋をぶらぶらしていたら
文庫本コーナーの平台に
「有吉佐和子」の「青い壺」という本が
並んでいるのを発見し驚いた私。

「え?何で今?有吉佐和子?」

有吉佐和子は昭和に活躍し
1984年に53歳の若さで亡くなった人気作家。
私は20年以上前に彼女の本に夢中になり
何冊か読み漁りましたが、その時はすでに
亡くなって10年以上すぎていたので
“昔の作家の本を読んでいる”という意識があり
令和の今に彼女の本が
新装版として平台に並ぶなど
思いもよらないことでした。

帯には「累計60万部突破」とあり
どうやらすごく売れているらしい。
何で?何で?何で?
近くには「有吉佐和子の本棚」
なる本が置いてあり
初版は2022年とな。
えー??もしかして
ここ数年、有吉佐和子ブームだったの?

「えー待って待って!
私も好きだったんだから!」
かつて夢中になって
彼女の本を読んだのに、と
といてもたってもいられなくなり
「有吉佐和子の本棚」と
今まで読んだことのなかった3冊を購入。
みな新装版らしい。


かつて読んだ有吉本がないか
家の本棚も探してみましたが
前に引っ越しした際にキレイさっぱり処分したのか
実家に送りつけたのか
残っていたのは読んでいない2冊だけ。

「有田川」はかなり年季の入った古本で
開くなりスピン(紐状のしおり)が取れた!
奥付けを見たら、昭和四十二年初版とな。
まだ私生まれてないし。
それにしてもこの本をいつどこで買ったか
まったく思い出せません。


「真砂屋お峰」は
実家の母の本棚にあったのを
もらってきたので、
てっきり母の本だと思っていたら
見返しに祖母の署名が!
母も祖母から譲り受けたものだったのかしら?
それにしても、
本に署名と購入日を記入しておく
(押印までしてある)のは
昔の人の風習なのか、
うちの祖母の風習なのか…
装幀に日本画の大家の名があり
時代を感じさせますね。

それから、年末の慌ただしさで
本を読む暇もなく、有吉本も
1冊も読まないまま
新年になったと思ったら
2月の半ば頃にコロナに罹ってしまい…

発熱して寝込んでいた際
あまりにも寝過ぎて寝れなくなり
この際、本でも読むかと
「一の糸」の頁をめくったら最後、
ノンストップでした。
1日で読み終わってしまいました。

面白い!面白すぎる!
大正から昭和にかけての
文楽の世界を舞台にした物語。
文楽は過去1回しか
観たことがなかったのですが
有吉佐和子の見事な描写をくらい、
猛烈にまた観たくなりました。
今年行く!絶対に!

これがきっかけで有吉佐和子の
文章の魅力が頭いっぱいに蘇った私。
今は通勤時間で毎日「有田川」を
せっせと呼んでいますが
これまた面白い。
和歌山のみかんづくりをモチーフにした
紀州女性の一生の話なのですが
「くうーっ!」ってうなるほどの
有吉節炸裂。
彼女の描く女性が好きです。
たまらんです。

まだ待機している本があると思うと
楽しくてしょうがない。
次は何を読もうか?と考えていた矢先

「金井美恵子の翻訳本が欧米で大人気!」

なるネット記事が目に入り
またまた「は?なんで今?」となった私。

金井美恵子も、20年ぐらい前に
夢中になって読んだ作家です。
有吉佐和子よりもっと若く
戦後生まれで
小説の背景もほぼ現代。

しかし、その欧米で話題になったのは
「軽いめまい」という1997年初版の本。

やっぱり「何で、今?」

どんな本だっけ?と
我が家の本棚を探したらあった!
内容をほぼ忘れかけているので
有吉佐和子と並行して読み出したところです。

↑我が家にあった金井美恵子の本たち。
「文章教室」とか「恋愛太平記1」とか
「柔らかい土をふんで、」とか
もっとあったはずなのに、
どこへいってしまったやら。

それにしても、金井美恵子は
ワンセンテンスが異様に長い
(1ページ、まるまる一文はザラ)
独特な文体なのですが
ちゃんと翻訳できるのだろうか?
英語で伝わるのだろうか?
気になります。
有吉佐和子とはまったく違う文章表現ながら
こちらもまた痺れる面白さでたまらない。

そんなこんなで
久方ぶりに読書三昧な日々を
過ごしていたところ
今週
「北方謙三『水滸伝』実写ドラマ製作決定!」
のニュースが飛び込んできたのです。
特報スポット→

「な〜にぃ〜!?何で、今ドラマ化なの?」

一昨年、ひょんなことから水滸伝にハマり
北方謙三版水滸伝を
古本で全巻大人買いした私…
(でも、まだ二巻までしか読んでない)

北方謙三版水滸伝は
中国の原作とは別物といえるほどの
オリジナル色が強いらしい、と買ってから知り
先に原作を知りたかったなぁ
という思いもありつつ
まあ、面白いからいいか、と。

二巻までにえらい数の登場人物が
出てくるのですが
みんな濃くて
キャラクターが立っているので
こんがらがることなく
すいすい気持ちよく読めるんです。
(まあ、二巻までしか読んでませんが)
思い出しちゃったよー!
林冲のカッコよさを、魯智深の熱さを!
安全道の変態医者ぶりを!
くう〜!これまた読まねばー!
それにしても宋江役が
織田裕二ってどうなのか。
まあ、あまり宋江に思い入れがないので
どうでもいいですが。

立て続けにおこった
「何で、今?」からの
本との再会。
これは、今年は落ち着いて
本を読みなさいという天の啓示か。
楽しい年になりそうです。