世界遺産「毛越寺」は兵どもの夢のあと

2025-10-10

岩手は平泉にある世界遺産といえば
「中尊寺」が有名ですが
そのほど近くにある
もう一つの世界遺産
「毛越寺(もうつうじ)」を
ご存知でしょうか。

平泉町の隣の
奥州市出身の私にとっては
「中尊寺」と「毛越寺」は
セットである意識が
小さい頃から刷り込まれており
馴染み深い場所です。

九州出身の夫と
神奈川生まれの息子は
「もうつうじ、はて?」という感じでしたので
今年の夏休みに帰省した際に
久しぶりに行って参りました。

遥か昔、慈覚大師円仁が開山した毛越寺。
奥州藤原氏が栄華を誇っていた時代に
広大な敷地に多くの
伽藍が造営されたのですが
藤原氏の滅亡後
度重なる災禍によって
全ての建物が焼失。
平安時代の作庭造園の形式を今に伝える
「浄土庭園」と
当時の堂塔伽藍の
礎石などの遺構が残されており
その文化的価値の高さゆえ
「特別史跡」「特別名勝」として
国に指定されています。


毛越寺が「完全」であった頃の想像図
仏堂と苑池とが一体として配された庭園を
「浄土庭園」と呼ぶのだそう。
藤原氏の時代は
極楽浄土のようであっただろうと
思いを馳せる…

当時の建物こそ残っていないものの
敷地の広さ、遺跡や池の位置は
ほぼそのままらしいです。

大泉が池

山の向こうにビルが見えたりしないので
ほんとに俗世から離された感があります。



後の世に建てられた本堂もあります。


外国の方もたくさん訪れている!のかな?
シールで見ると台湾の方が
圧倒的に多い印象ですね。
誰だー!
和尚さんのほっぺやおでこに
シールを貼ったのは!


ここらへん一帯は菖蒲畑になっており
6月には毎年「あやめまつり」が開催されます。
小学校のときに通っていた
絵の教室で写生会が催され
みんなでバスに乗って
毛越寺まで菖蒲を描き来た思い出が。
楽しかったな〜。
日本画に長けたおばあちゃん先生に
菖蒲の花びらを描く時の
紫から白へのぼかし方を教わり
その時に絵を描く楽しさに
目覚めた記憶があります。

あまりの暑さのためか
8月なのに一部紅葉していました。


こういう伽藍跡がたくさんあるのですが
そこに立って目を瞑ると
なんか昔と同じ空気を
吸っている心持ちに…



この大泉が池に流れる小川は
「遣水(やりみず)」といい
ここで平安時代の貴族に扮した人が
和歌を詠んだりする「曲水の宴」という
雅なイベントが行われるらしい。
(ポスターしか見たことがない)


鐘もつけるらしいけれど
このときはできませんでした。


お土産に社務所で「延年茶」を求める。
飲むと長生きしそう!?

毛越寺は自然に囲まれているので
四季折々の表情が楽しめる
素晴らしい場所です。

久しぶりに訪れたばかりなのに
また秋や冬にも行ってみたいと思わされました。

ぜひ、岩手にお立ち寄りの際、
そして中尊寺までいらっしゃったならば
毛越寺にも足を運んでみてほしいです。

余談ですが

奥州市に帰省するときは
新幹線で水沢江刺駅を利用するのですが
水沢出身の吉田戦車氏による
「おうしゅうたろう」の
キャラクターグッズが売っていたので
即購入!