ミケランジェロ派?ベルニーニ派?

2021-05-14

今回は彫刻のお話です。
昔イラストレーターをしていた母と、10年ほど前にイタリアやフランスを巡って芸術作品をたくさん見て来ました。その中で唯一喧嘩になったのが「彫刻家はミケランジェロとベルニーニどちらが優れているか?」という話題でした。
もちろん時代も違いますしこの辺は好みの問題なのですが、ふと思い出したので今回はこの話をしてみようと思います。良ければしばしお付き合いください。
 
さて、ミケランジェロとベルニーニは両名ともイタリアで作品を見ることができます。ざっくり言うとボリュームのある作品を残したのがミケランジェロ、繊細な作品を残したのがベルニーニ。
 
ダビデから見るミケランジェロ
イタリアのフィレンツェ市内には、なんとダビデが3体いるのでジェラート片手にダビデツアーができます。
●ヴェッキオ宮殿(レプリカ)

●ミケランジェロ広場(レプリカ)

●アカデミア美術館(本物)

 
元々ヴェッキオ宮殿に設置されましたが、市民の暴動が起こり左腕が壊されてしまいます。その後アカデミア美術館へとお引越しし、1番美しく見える空間が作られ設置されます。
頭が大きくアンバランスで有名ですが、本来ドゥオモというかなり背の高い建築の上に置く設計だったため、その下から見上げてちょうど良い大きさになっています。なのでアカデミア美術館で見ると顔が少々でかい。目をつぶってあげてください。
ちなみにミケランジェロ広場にはこんな面白アイテムも。5ユーロなので660円くらいですね。

 
ミケランジェロは彫刻を彫る際に「中に人が閉じ込められているから助けてあげなきゃ」という凡人にはちょっと何言ってるか分からない思考で掘り進めたそうですね。下書きもしないらしいです。天才すごい。
これは本当に生で見ないと分からないのですが、浮き出た手の血管と表情のリアルさがまさに「今動き出しそう」という迫力。こんなにもボリューム感のある彫刻はなかなかないと思います。
 
 
アポロンとダフネから見るベルニーニ
「ベルニーニはローマのために生まれ、ローマはベルニーニのためにつくられた」と言われる程、ローマに行くとベルニーニの彫刻がこれでもか!ってくらい見れます。

普通美術館に行ってお金払わないと見れませんが、無料で見放題。カトリック教会の教皇達から多くの依頼を受け、四大河の泉などローマの町を豪華に生まれ変わらせたそうです。

中でもイチオシなのが、ボルケーゼ枢機卿のコレクションがたくさん展示されているボルケーゼ美術館。

そこに所蔵されている「アポロンとダフネ」です。


wikipediaより引用

ダビデが大きな塊としての迫力が魅力なら、こちらはホントに彫ったの?粘土じゃなくて?と目を疑うほどの繊細さが魅力です。
ダフネ(女性の方)がアポロンの求愛から逃れるために月桂樹に姿を変えるシーンが描かれていますが、特にその月桂樹の葉がちょっと何言ってるか分からない細かさですよね。
ヴァイオリンと呼ばれる、同じ名前の楽器に似た器具を使って彫られたそうですが、今の技術も持ってしても彫ることができないそう。天才すごい。この作品の前に布団を敷いて、毎日ずっと見ていたいです。
日本にもたくさんの芸術作品が海を渡って来ますが、これだけは壊れそうで怖いのでこのままにして欲しいです。また行くんで!絶対!
 
 
という事で私はベルニーニ派なのですが(笑)、皆さんはどちらがお好きですか?
芸術の話題ついでに…
コロナの都市封鎖に伴いルーブル美術館が50万点以上もの全所蔵作品をホームページに掲載、しかもダウンロードも可能になったそうですね。太っ腹!
トップページの検索バーか、カテゴリー別、テーマ別、館内地図からアクセスできるそう。
「サモトラケのニケ」が好きなので、フランス語名「Victoire de Samothrace」で検索したら出てきました。
ルーブル美術館HP
サモトラケのニケ

ぜひソファに座りながらお家で芸術をご堪能ください。では!