お芝居に思いを馳せる

2021-02-19

コロナ禍で舞台やミュージカルはトラブルなく千秋楽を迎える事が難しくなっており、途中で中止になってしまう事もしばしば。去年チケットを取っていた舞台も初日に演者さんの中で体調不良者が出てしまい、その後の公演がすべて中止となり、抽選で引き当てた前から5列目の良席チケットを泣きながら払い戻ししました。
お芝居は映画と違って半年ほど先の日程を空けておき、自己都合のキャンセルが出来ないためその日に向けて体調を万全に整え、チケット代も1万円前後と決して安くありません。また、体調が多少悪くても無理やり来てしまう方も中にはいらっしゃいます。

そんな中、団体ごとに色んな対策を取り入れています。
入場者の入り口での検温や私語厳禁に加え、ダブルキャストを多く取り入れる・席を1席おきに空ける・Blu-rayやDVD収録は初日に行ってその後有料配信を行う・マスクを衣装の一部としてデザインする等、手間がかかる分チケット代も以前より割高になっています。
友人はダブルキャストが多いと複数の推し俳優さんが全員一斉に出る枠が少なくなるため、狭き門になったと嘆いていました(確かに…)公演日もなんとなくですが初日はコロナ対応が慣れていなさそう・千秋楽は倍率が高い、という理由で中日のチケットを狙うように。
こんな大変な状況のお芝居界、普段はそこまで熱心に観たいとは思っていませんでしたが、いつも以上に応援したい気持ちが強くなりました。

という事で前段が長くなりましたが、比較的感染者数が低めだった去年10月に黒澤明監督生誕120周年記念ミュージカル「生きる」を観に行きました(2018年が初めてで今回は再演だそうです)。
特設サイト:http://www.ikiru-musical.com/index.html

なんとこの公演、10月9日東京公演から始まり富山、兵庫、福岡、名古屋を巡って最後11月30日に千秋楽を迎えました。1ヶ月未満でも難しいのにどうやったの!?と驚く2ヶ月ものロングラン!稽古から大変な苦労があったと思います。



東京公演は日生劇場で、お客さんの入りはさすがです。

主人公の渡辺勘治役は元劇団四季の市村正親さんと鹿賀丈史さんのダブルキャスト。演出は自身もガンを経験した宮本亜門さん、音楽はオーケストラの生演奏と大変豪華な公演でした。ちなみに私は映画で渡辺勘治役を演じた志村喬さんに体格の近い鹿賀丈史さんにしました。

渡辺勘治は物語の冒頭で胃ガンが見付かり、余命半年と悟ります。それにより、毎日役所で機械的でつまらない日々を過ごしていた生活を一変させ、住民から多く要望のあった公園を作ろうと決意します。通常業務以外を行う事は煙たがられる時代。職場からはたらい回しに遭い、助役からは相手にされず、ヤクザ物に目を付けられてもめげずに奮闘する姿が描かれています。
映画「生きる」は昔一度だけDVDで見ましたが、静かに物語が淡々と進み「暗い映画だなぁ」という印象でした。が、ミュージカルは盛り上げ方が上手くラストシーンでは大号泣。有名な公園でブランコを漕ぐシーンは、まさしくそのまま公園を持ってきたかのようなセットが出現します。深々と静かに雪が一面に降り注いでおり、そのあまりの綺麗さにポカンとしながらも気付いたら泣いていたという日常では味わえない体験をさせてもらいました。やはり目の前で物語が展開されていくのを見れるのは最高ですね。マスクしたまま泣くと頬の痙攣がダイレクトに伝わってちょっと恥ずかしかったです(笑)

公演中は撮影禁止のため、写真はこちらの記事をご覧ください。

お客さんは年齢層高めの男女と、若いイケメン俳優さんのファンかな?という若い女性が多かった印象です。物販のラインナップにはマスクがあり、行った時はすでに1種売り切れの状態でした。


今はお友達と行っても、喋るとスタッフさんがすっ飛んでくるためここはやはりソロプレイが捗ります。
お芝居は宝塚でベルサイユのばらを観に行く事が夢なのですが、いつか叶うといいなぁ。宝塚さん、公演よろしくお願いします!
という事でお芝居談義でした。皆さんも出掛けられるようになったら、ぜひ!